2020年1月16日木曜日

リーダーシップと自己認識

リーダーシップについて。
最近読んだ以下の本からの学びと気付き。

『insight(インサイト)
いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力』
ターシャ・ユーリック 著 中竹竜二 監訳   樋口武志 訳 英治出版
http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2270

自己認識について書かれた本である。
大雑把に言うと、自己認識には二つの側面があり、両輪である。

1つ目が、自分自身を自分が正しく把握するという、内的な自己認識。
2つ目が、自分自身がどう見られているか正しく把握するという、外的な自己認識。

2つ目が特に欠けやすい。
厄介なことに、自信があるほどに、ここに問題が生じるという。

要は、自信のあるリーダーに対しては、周りはものが言えないのである。
ぐいぐい引っ張るタイプのリーダーシップは、短期的には結果を出しやすい。
しかし長期的に見ると、リーダーにものを言わない(言えない)組織に育ってきて、個が没落していく。
(学校でいうと「お利巧なクラス」がその典型である。)

部下がものをいえるリーダーとはどういう人か。
それは、開いているリーダーである。
部下に誤りを指摘されたら認め、感謝して正していけるリーダーである。

これは、言うほどに簡単なことではない。
自信をもって一生懸命にやっていることに対し、的確に誤りを指摘されるほど、恥ずかしさや怒りが湧いてくる。
ここを乗り越えられるかが瀬戸際だという。

一方で、自信がないタイプのリーダーやゆるいタイプのリーダーには、違う問題が起きる。
進むべき方向や、手本を示せない。
部下はこれによる不安が生じ、あちらこちらへ個々が勝手に動き、混乱状態になる。

要は、明確な方針を示しながらも周りの声に耳を傾け、自ら改善していく姿勢がリーダーには求められる。
学校では、学級担任や学年主任等の小規模な集団のリーダーにも、これは当てはまる。

例えば「学級崩壊」にもタイプがある。
子どもが騒いで言うことをきかないというのは、あからさまに反乱を起こしているという点で失敗である。
一方で、全員がロボットのように従順に言うことだけをきいている状態も、教育としては機能不全を起こしている。
どちらも子どもの適切な成長を妨げている。

なぜこうなるかというと、先のリーダーシップの問題である。

どっちに行っていいかわからないから、やりたい放題に暴れる状態になる。
暴力や大きな声が支配する集団である。

何も言えないから、ロボット状態になる。
ロボットである以上、不規則な動きや、はみ出ることは許されない。
上からの懲罰と無言の圧力が全てを支配する集団である。

学級担任が進むべき方向を示し、適切にすべての子どもの声に耳を傾けるようにする。
理想的には、そうして子どもが安心すれば、後は自律して動き始めるはずである。
自律して動き始めると、失敗もたくさんするが、集団が安心な状態ならば、何度でも立ち直れる。
この自律行動及び失敗からのレジリエンス能力は、ロボットと人間との決定的な違いである。

では、学級が崩れたら担任が全て悪いのかというと、そうではない。
その学年を支えるチームリーダーの問題でもある。
つまりは、学年主任、あるいは管理職の問題でもある。
(「も」がポイントである。学級担任にも無論大いに責任があるし、子ども自身にも要因はある。)

人には強みと弱みがあるのだから、そこをなるべく補完的に用いるのがリーダーの仕事である。
凸凹を上手に組み合わせる。
凹と凹に見えても、それは平面的に見ているだけで、違く角度から立体的に見たら、違う形が見える可能性がある。

それが見えるようにするには、やはりオープンにすることである。
誰から。
リーダーの立場からである。
そうでないと、下の立場は危なくて本心を見せられない。

自分の率いる集団を振り返ってみる。
チームが方針に向かって進んでいるか。
逆に、チームが盲目的に従っていないか。
個々の個性が生きているか。
自分自身は、オープンになっているか。

リーダー自身は、必ずしもスタープレイヤーであったり、スーパーマンであったりする必要はないという。
自信をもっている姿と、弱みを見せられる姿の両面が必要である。

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