2019年11月28日木曜日

自分を磨くのは何のため

前号の「譲る」ということについての話の続き。

教育実習生にした話。

人生において何が大切か。
人一倍努力し、自分を磨き、能力を高めることで、何が得られるのか。

大学生に聞くと、大抵は「自己実現」の大切さを挙げる。
それは、大学生という社会的な位置にも関係するのかもしれない。
ある意味、社会に自分の価値を売り込む時期である。

子どもも、同じような傾向がある。
子どもの場合「夢」という形をとる。
「将来の夢は〇〇です。だから△△をがんばります。」
〇〇に入るのは、職業名である。

つまり、自分の夢を実現させるためにがんばるのである。

これは、間違っているか。
もちろん、間違っていない。
素晴らしいことである。

しかしながら、実際に社会に出ると、ちょっと思っていたのと反応は違う。
努力の末に夢を実現、あるいは目標を達成しても、意外と誰もほめてはくれない。
待っているのは、「それで、あなたは何ができるの」という問いかけである。

単に自己実現(と思われるもの)をしても、幸福になれる訳ではない。

では、幸福感を得られる瞬間とは何か。
ずばり、人の役に立てたと感じられた時である。
ただひたすらにがんばったことに対し「ありがとう」と言ってもらえた時である。

結局、その高い素晴らしい能力は、社会に役立てるためである。
例えばスポーツ選手は身体能力を高めることで、チームに貢献できる。
勉強をして専門知識を深めることで、何かしら社会の役に立てる。
それぞれの仕事のスキルを伸ばすことで、社会に貢献できる。
だから、自分を磨くことに価値があるのである。

いつからそれができるのか。
これは、学校にいる時からできる。
クラスの中で自分が得意なことがある。
これは、それを苦手とする人さえいれば、助けるチャンスである。

人の役に立てることの喜びを知ると、もっと自分を役立てたくなる。
そうすると、それがモチベーションとなり、更に自分を磨くことになる。
結果的に、なりたい自分に近づける。
幸福感も高まる。

それが、人一倍努力し、自分を磨き、能力を高めることで、得られるものである。

努力するのは、競争に勝って、一番になるためではない。
人の役に立ち、自分を最大限に生かすこと。
これからの共生の社会に生きる子どもたちに、学校で教えるべきことの一つである。

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