2018年11月29日木曜日

満足の上を目指す

先日、特別活動部としての研究授業を行った。
内容は、クラス会議である。

クラスの課題に対する「最適解」を選び、実行する中で、新たな問題発見をして、常に改善を求め続ける集団に育てたい。
最適解とは、集団にとってよりよい解決策として合意された解のことである。

流れとしては、最適解への実行に対して、次の振り返りを行った。
1 4段階の自己評価によるメタ認知
2 データによる集団の意向の確認
3 他者との感じ方の差異を知る
4 新たな課題発見
という流れである。

しかしながら、これがうまくいかなかった。
なぜか。
実行された最適解に対し、満足してしまうのである。
つまり、新たな課題に至らない。
即ち「現状維持」となる。

やってみて、これはなかなか深い問題だと気付いた。
要は「足るを知る」ということでもある。
そこそこの幸せでよい、という考えである。
これ自体は、一概に否定すべきことではない。
むしろ、欲が深くなくて良いともいえる。

ここを話し合ったところ、仲間から面白い考えが出た。
「4段階で、5を設定したらどうですか」
最初は、5段階にしてはどうかという意味かと思ったら、違った。
要は、突き抜けた5という段階を考えさせろ、ということである。

これはなかなか面白い考えである。
集団の満足度の低いところを、どう平均レベルまで引き上げるか考えるのが普通である。
逆の発想で、満足度の高い層を、さらに引き上げろという発想である。

これは、授業にも通じる。
わからないで困っている子どもに焦点を当てた授業は、「すべての子どもに優しい」と評価されがちである。
真実は違う。
全体の中の、上から下まで全てを引き上げるのが優しさである。
集団の中の飛び抜けた上のレベルの子どもをも引き上げるのが優しさである。
「できる」子どもを捨ておかないことである。

今回の研究授業のお陰で、よい示唆を得られた。
おかげで今年度の研究も楽しみになってきた。
ちなみに、千葉大附属小の公開研究会は来年の6月最終週の予定である。
(日曜日には赤坂真二先生の丸1日セミナーも予定。
 例え私が異動しても、これらは実施予定。)
公開研究会で意義のある提案ができるよう、精進していきたい。

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