2014年4月12日土曜日

持ち味に優劣なし

「人事万華鏡」という本がある。
著者は経営の神様、松下幸之助氏。
発刊が昭和52年。
古い本ながら、内容は現代的である。
経営者向むけの本だが「学年経営」も「学級経営」も経営の一つであると捉える。

この本で、松下氏は、人の組み合わせと使い方に特に気を配ったと書いている。
その人の持ち味をどう生かすか。
そこにかかっているという。

ここでは、楠木正成を例に挙げている。
正成の家臣に「泣き男」という非常に泣くのが上手な男がいた。
いつもめそめそしていて、周りを暗い気持ちにする。
およそ武士には相応しくなく、みんなが家臣にするのを嫌がった。
ある戦で、正成は「泣き男」を僧に変装させ、「悲観にくれて正成を弔っているふり」をさせた。
とにかく泣くのがうまいので、相手の武将は正成が本当に死んだと思い、油断した。
その隙を見て、不意打ちをかけて敵を討ち取ったという。
(尚、この方法が道義として良いか悪いかはここでは問わない。あくまで人事の例である。)

ここからはこれを読んでの私見だが、持ち味というのは、長所にも短所にもなり得る。
使い方次第で、生かすも殺すもできる。
逆に言えば、持ち味そのものに優劣はないともいえる。
持ち味の言葉にある「味」そのものに例えて説明するなら、「苦み」に優劣はない。
一般に苦い物は嫌がられるが、ビールにとって苦みは旨さでもある。
ゴーヤは苦みが特徴だが、それが良いか悪いかも好みの問題である。
甘いカレーと辛いカレー、どちらと言われても程度があり、好みの問題である。

結論、持ち味に優劣なし。
全て、生かし方次第。
子どもに対しても勿論、自分自身の能力にもいえる。
長所は短所、短所は長所。
どちらも「持ち味」でしかない。
特徴としての持ち味をどう使うかである。
同じ持ち味なら、良い面に光を当ててあげたい。

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