「人事万華鏡」という本がある。
著者は経営の神様、松下幸之助氏。
発刊が昭和52年。
古い本ながら、内容は現代的である。
経営者向むけの本だが「学年経営」も「学級経営」も経営の一つであると捉える。
この本で、松下氏は、人の組み合わせと使い方に特に気を配ったと書いている。
その人の持ち味をどう生かすか。
そこにかかっているという。
ここでは、楠木正成を例に挙げている。
正成の家臣に「泣き男」という非常に泣くのが上手な男がいた。
いつもめそめそしていて、周りを暗い気持ちにする。
およそ武士には相応しくなく、みんなが家臣にするのを嫌がった。
ある戦で、正成は「泣き男」を僧に変装させ、「悲観にくれて正成を弔っているふり」をさせた。
とにかく泣くのがうまいので、相手の武将は正成が本当に死んだと思い、油断した。
その隙を見て、不意打ちをかけて敵を討ち取ったという。
(尚、この方法が道義として良いか悪いかはここでは問わない。あくまで人事の例である。)
ここからはこれを読んでの私見だが、持ち味というのは、長所にも短所にもなり得る。
使い方次第で、生かすも殺すもできる。
逆に言えば、持ち味そのものに優劣はないともいえる。
持ち味の言葉にある「味」そのものに例えて説明するなら、「苦み」に優劣はない。
一般に苦い物は嫌がられるが、ビールにとって苦みは旨さでもある。
ゴーヤは苦みが特徴だが、それが良いか悪いかも好みの問題である。
甘いカレーと辛いカレー、どちらと言われても程度があり、好みの問題である。
結論、持ち味に優劣なし。
全て、生かし方次第。
子どもに対しても勿論、自分自身の能力にもいえる。
長所は短所、短所は長所。
どちらも「持ち味」でしかない。
特徴としての持ち味をどう使うかである。
同じ持ち味なら、良い面に光を当ててあげたい。
2014年4月12日土曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
-
名称の謎の話。 小学校で行う跳び箱の切り返し系の技といえば、開脚跳びとかかえ込み跳び。 かかえ込み跳びは「閉脚跳び」とも呼ばれる。 名称が二つあるのは、学習指導要領での表記の変遷による。 以下、体育の豆知識。(興味ない方は読み飛ばしていただきたい。) かかえ込み跳び...
-
教材研究という言葉が一般的である。 教えるために、教師として教材を読むのが教材研究である。 (まるで私がわかった風な口をきいているが、完全に野口芳宏先生の受け売りである。 以下同様。) 教材研究の前にすべきは、素材研究。 教えるためでなく、一読者として作品について調べ、読み込む...
-
前号の続き。 教師にとっては、結構知っておくべき「大切」な事ではないかと思う。 (そして、教師以外の人々には本当にどーでもいい話題であるかもしれない。) 例の如く野口芳宏先生よりずばり。 「課題」は出されたもの。 「問題」は感じたもの。 つまり、教師から与えたものが「学習課題」。...
0 件のコメント:
コメントを投稿