「まぐまぐニュース」で取り上げられて反響があった記事。
https://www.mag2.com/p/news/361299
(ちなみに付け加えると、私が「モンスターペアレント」などという言葉を安易に用いることは、基本的にありえない。
今回の記事でも、一言も使っていない。
それでもタイトルに好んで使われるのは、キャッチーなフレーズの方が見てもらえるからである。
インターネット上のニュースのヘッドは、編集部側がすべてつける。
だから、事情はとてもわかるし、お陰でたくさん見てもらえている面もある。
ただ、もうこれは今までもたくさんあって、今さらだし訂正してもらう気もないのだが、誤解されそうという点において、そこは結構悩みどころである。)
次の本を読んだ。
「話のおもしろい人」の法則
野呂エイシロウ著 アスコム
https://www.amazon.co.jp/dp/4776208210
その中で、一流ホテルについてのくだりがあった。
「つまらない人は、すぐ断る」という項目である。
一流ホテルは何が一流か。
メニュー?
部屋?
それもあるかもしれない。
それ以上に、対応が一流なのだという。
ある企業の社長が、とあるホテルを定宿にしていた。
たった数泊にも何百万円も支払う。
そんな「上客」である。
その方が朝にレストランにいくと、以前とメニューが変わっている。
料理長に以前のメニュー(スクランブルエッグ)を頼むよう伝えると、ウェイターは「できません」の一点張り。
新人だったらしく、相手が誰かすらもよくわかっていない。
支配人が出てきて平謝りして対応し、事なきを得たという。
さて、どちらが間違っているのか。
これは、やはりウェイター側である。
相手が「上客」だからという問題ではない。
ウェイターという立場上、誰が相手であろうと、この場合まずは「少々お待ちください。確認してまいります。」である。
自分の判断だけで断るということが許されない。
できうる最高のおもてなしが、一流ホテルのレストランのウェイターの仕事である。
その後の対応の判断は、料理長なり支配人なりに任せればいい。
無理なら無理と伝えるし、できることならできると伝える。
今回の場合だと、常連のお客様に対して、サービス可能な範囲の対応である。
そこへの判断は責任者の仕事である。
新人教育が行き届いていないこと自体も、支配人の責任である。
「お客様の要望はいきなり断らない」という、サービス業の基本が徹底できていなかったのである。
翻って、教育現場を考えてみる。
保護者が、一見「無理」な要求をしてくる。
どう対応するか。
いきなり断るというのは、賢明ではない。
保護者は「お客様」ではないが、子どもの成長という共通の目的をもった「仲間」である。
だから、可能な限りは願いを叶える方向で考える。
自分の守備範囲を越える要望には、とりあえず「学年(学校)で相談します。」である。
学年主任なり管理職なりに相談して、判断を仰ぐ方がよい。
下手に自分で判断すると、火傷をする。
何とかなる要求に無下に「ノー」を出してしまうと、学校自体にマイナスが及ぶ可能性がある。
一方、断るべき要求に「イエス」を出してしまうのが更に痛い。
「○○先生はやってくれた」という痛い前例を作ることになる。
判断が難しいものは、即時対応せずに「持ち帰り」が基本である。
(確実にわかりきったようなことを管理職に聞くのもNGだが、間違った対応をされるよりましである。)
教員でも新人のうちは特にミスをしやすい部分なので、書いてみた。
2018年7月24日火曜日
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