前号に続き、明橋大二先生講座からの気づき。
思春期。
「中二の二学期がど真ん中」とのこと。
個人差がかなりあるが、平均をとるとこれぐらいだろう。
反抗期が来ると、親はうろたえる。
特に、「いい子」で育ってきたはずの第一子の反抗期を相手にする母親はそうである。
しかし「反抗したら一安心」だという。
どういうことか。
前号で「甘えることで自立する」という話を紹介した。
思春期は甘えと反抗、依存と自立を繰り返す。
つまり、反抗できるということは、親がちゃんと育ててきて、自立に向かっている証拠の一つだという。
一方で、不安が強くて反抗できない子どももいる。
何が不安かというと、反抗すると親に見捨てられるのではないかという不安である。
十分に甘えられず、親からすると手がかからず「いい子」で育ってきた子どもである。
これら抑圧の状態で育ってきた子どもは、成人を過ぎてから突如爆発することがあるという。
私はこれを聞いて「ずっと爆発をしていない休火山のようなもの」と思った。
思春期に「反抗」という小爆発を繰り返していれば、やがて落ち着く。
そう考えると、反抗期も「必要悪」のようなものに思えてくる。
教室でも、子どもが悪態をついたり仲間と悪さをし出すようになるのも、同じような意味合いがある。
そうはわかっていても、愛する我が子が突如
「うるせえくそばばあ!」
と言ってきた時のショックは大きい。
ここへは「思春期の言葉は、外国語だと思って」とのアドバイス。
つまり、そのまま受け取らずに、翻訳が必要である。
例えば
「くそばばあ」→「お母さん」
「ぶっころす」→「怒っているんだよ」
「ウザい、知らねえ」→「放っておいてね」
だそうである。
つまり、
「うるせえ、くそばばあ!」→「お母さん、今僕もがんばってるから、わかってね。」
といったところか。
この「感情が高ぶった相手の言葉を外国語とみなす」というのは、結構応用の効くテクニックである。
教室でパニックを起こしていたり、自己肯定感が低くてネガティブなことをよく言う子どもの言葉にも使える。
何なら、職場や夫婦間でも使えると思う。
反抗したら、一安心。
それを聞いて、一安心した親も多かったようである。
2017年11月11日土曜日
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