教材研究以前の素材研究について。
本の方でも取り上げている内容である。
夏休みは、素材研究にうってつけである。
本を楽しむのは、素材研究になる。
国語の文学作品は、あくまで文学作品である。
「国語教材」を目的に書かれたものではない。
作品を「教材」としてとらえる以前に、一作品として見て、一個人として読む。
たとえば、「きつねのおきゃくさま」という作品がある。
(教育出版2年 上 あまんきみこ作)
題名を見て、どんなことを考えるだろうか。
一見すると、「きつねがお客様としてやってきた」と読める題名である。
しかし読み進めるとわかるが、「の」は、所有格の「の」である。
きつねにとって、「おきゃくさま」は自分に属している存在である。
また「きゃく」ではなく「おきゃくさま」である。
きつねにとって、大切な存在であることが強調される。
「ゆうかんなきつね」「やさしくなったきつね」などの「きつね」が主の題名ではなく、「おきゃくさま」が主である。
物語をすべて読んだ後で題名を読み返すと、きつねが「おきゃくさま」を心から大切にしていたことが改めてわかり、ここに主題がこめられていることに気づく。
・・・・・
こういったことを、延々とやっていく。
教えるかどうかは一旦置いておいて、ひたすら気になった部分を精査に読んでいく。
細かいところまで読みこむ。
そうする中で、「ここは教えたい」「ここは読み飛ばしそうだ」といったことが浮かび上がってくる。
いきなり「教材研究をしよう」となると、「どこを教えよう」と突然考えることになる。
素材研究→教材研究→指導法研究(発問等)→授業
という流れが本来の形であるという主張である。
素材研究をきちんとして、土台を固めておきたい。
2014年8月28日木曜日
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