学校では、色々とアンケートをとる。
特にいじめ発見や子どもの悩みの把握のためにも、各校で必ずアンケートをとることになっている。
ところで、このアンケートには、どの学校でも「学校が楽しいですか」というような項目がある。
ここに「楽しくない」と答えた場合、何か悩みや問題があると考える訳である。
この場合、問題があるから取り除く、というのが一つの方向性になる。
まずこれが必要である。
子ども自身では解決できない問題かもしれないからである。
もう一つ考えるべきは「普通」とか「あまり楽しくない」と答えた場合である。
子どもの意識下に、誰かが楽しくしてくれるのを待つ、というのがあると、特別問題がなくても、ずっと楽しくない状態が続く。
「つまらないなら、もっと詰めて」
というのは、拙著『切り返しの技術』で紹介した言葉の一つだが、これは結構大切である。
誰かが楽しくしてくれるという意識。
お客様精神。
ここを脱さない限り、自治的な学級も楽しい学級も実現することはない。
学級担任としての仕事の本質は、子どもへのサービス・エンターテインメントの提供ではない。
子どもを自立に導くことである。
エンターテインメントをよりよく楽しむだけでなく、創り出す側に育てることである。
そうなると、そういうことができる場、やろうとする場を提供するところまでが、最も大切になる。
新しいことをやってみようというチャレンジ精神。
まずベースにあるのは、安全・安心である。
つまり、いじめを始めとする心身の危険が感じられる状態では、うまくいかない。
更には、挑戦による失敗が歓迎される雰囲気。
日常からそれが醸成されていることが大切である。
係活動は、ここに大きく貢献できる。
自分たちで必要、やりたいと思ったことを、チームを組んで行う。
うまくいかないことも含めて、経験になる。
何でも決まった通り、例年通りにやっていると、ここは育たない。
子どもたちに、挑戦を促すこと。
子どもが「学校を楽しく」と願うのであれば、まずは安全・安心の確保。
次に、自分から動くことを促す必要があると考える次第である。
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