前号の続き。
同調圧力の利用について。
同調圧力は、そのチーム内の「常識」からくる。
常識だからこそ、そこから外れないようにしようと力がかかる。
つまり、良い常識を作り上げることさえできれば、良い方向に力が働くというものである。
例えばかつて災害時、日本人が混乱せずに整列することが、世界のニュースになった。
日本人にとって、整列して待つのは常識である。
みんなが困っている時に、並ばずに我先に、というのが日本では常識外れである。
そういう望ましくない行動が、日本の常識の力によって制限されたといえる。
学級内でも、常識、当たり前のラインをどこに設定するかで、学級が変わる。
望ましい常識を作り上げる働きかけに成功さえすれば、後は自動的に良い行動が増えていく。
例えば、整理整頓。
常にするのが当たり前になっていれば、乱れているのが放置されなくなる。
物の紛失も減り、トラブルが減る。
例えば、落ちているものを拾うこと。
床に落ちているものを拾うのは、「一苦労」である。
やらない方が楽である。
だから、大方の人は、やれない。
これを思考時間0秒で拾えるようになれば、学級は劇的に変わる。
(しかしながら、これはかなりハードルが高い。)
例えば、困っている人を助けること。
困っている人を馬鹿にするのが常識になっている状態とは真逆のことが起きる。
助けても別にほめられないし、すごいとも言われない。
代わりに「ありがとう」「どういたしまして」が互いにさらっと出てくるだけ。
理想形である。
良い理想形を示すこと。
リーダーの役割は指針を示すことだが、学級担任にはここが重要である。
掃除用具箱と用具の在り方一つにとっても、理想形を示しているのとそうでないのとでは、雲泥の差が出る。
(だから、視覚情報に訴える写真掲示は効果的である。)
どんな常識を示しているか。
初期状態は、学級担任の背中で全て決まる。
子どもの色を出すのは、その後でも十分と考える次第である。
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