今、役に立つかもしれない過去記事の再投稿。
夏休み中、家に子どもがいることで、つい怒りやすくなっていた気がするという母親の皆様方に向けて。
「アンガーマネジメント」という言葉が割と一般化してきた。
怒りの扱い方スキルである。
仏教を初め各宗教でも、怒りの扱い方は古今東西の重要テーマである。
怒りというのは、人生全般における真剣な問題なのである。
以下は、私の怒りに対するオリジナルイメージである。
怒りの壺がある。
(ちなみに「努力の壺」という有名な話に思いっきり着想を得ている。)
これは、一日の中でたまる。
朝目覚めた時点では空っぽのゼロスタートである。
壺なので、外からは表面的には見えない。
イラッとすること、怒るようなことがあっても、怒らないこともある。
しかし壺には確実にたまっていく。
壺のサイズは、環境で変わる。
身体的な不快を感じると、壺自体が小さくなる。
忙しいなど心理的な不快を感じると、壺自体が小さくなる。
一度溢れたら、次から少しでも溢れ続ける。
些細なことでも怒りとして表出する。
子どもが言うこと聞かないでイライラして溜めた分のあおりを、帰宅した夫が全部食らうのも、古今東西の世の常である。
ただし、ひっくり返すほど思い切りこぼした場合は別で、またしばらく溜まるまで我慢できる。
その間、本人は「怒りすぎたなぁ・・・」と反省している状態である。
壺には下の方にごく小さな穴が空いていて、少しずつだが自然に流れ出ていく。
たまったのが少量であれば、何事もなく一日が終わる。
そして、一晩経つと大体空になる。
そんなイメージである。
自分なりにイメージをもつことで、怒りにくくしたい訳である。
防げる要素は防ぐ。
そして、防げない事態があることもわかる。
周りの人と接する時にも、そうだと思えばいい。
つまり、相手の壺のたまり具合によっては、些細なことで怒る時もある。
普段が穏やかな人でも、壺にたまっていれば別である。
「触らぬ神に祟りなし」で、場合によっては話しかけないのが吉である。
朝一番に、生徒指導についての問題が入ることは結構ある。
前日の夜に問題が発覚した、というような場合は、これが起こり得る。
朝からマイナスの指導である。
この気分の最悪さは、ほぼ全員の学級担任が知っていると思う。
この一発の指導で、一日がダメになることが結構ある。
なぜなら、朝一に壺の半分以上がたまるか、あるいは溢れてしまうからである。
子どもにとっても、この日に良からぬことをしたら、一発で逆鱗に触れる可能性がある。
つまりは、学級というチーム全体、あるいは家族全員で、担任や親の怒りの壺にせっせと溜めているイメージである。
怒るなといっても無理である。
子育て中の母親に「怒らず優しくしてあげてください」とアドバイスするぐらい無理な話である。
怒ってしまう仕組みをわかっている方がよい。
それでも怒りが溢れた時の最善策は、その場を離れることである。
言いたいことが百あるのは承知の上で、とりあえず部屋を出ていってしまうことである。
涼しくて一人になれる場があれば一番いい。
文字通り、クールダウンできる。
あまりにも湿度と気温の高すぎる環境はダメである。
政府が先導して全国の学校にクーラーを配備しようとする動きは、理に適っている。
子どもとて、環境によっては怒りやすくなるし、集中力が切れる。
特別な支援が必要な子どもたちなら、尚更である。
怒らない環境づくりが大切ということで、書いてみた。
2020年5月6日水曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
-
名称の謎の話。 小学校で行う跳び箱の切り返し系の技といえば、開脚跳びとかかえ込み跳び。 かかえ込み跳びは「閉脚跳び」とも呼ばれる。 名称が二つあるのは、学習指導要領での表記の変遷による。 以下、体育の豆知識。(興味ない方は読み飛ばしていただきたい。) かかえ込み跳び...
-
教材研究という言葉が一般的である。 教えるために、教師として教材を読むのが教材研究である。 (まるで私がわかった風な口をきいているが、完全に野口芳宏先生の受け売りである。 以下同様。) 教材研究の前にすべきは、素材研究。 教えるためでなく、一読者として作品について調べ、読み込む...
-
前号の続き。 教師にとっては、結構知っておくべき「大切」な事ではないかと思う。 (そして、教師以外の人々には本当にどーでもいい話題であるかもしれない。) 例の如く野口芳宏先生よりずばり。 「課題」は出されたもの。 「問題」は感じたもの。 つまり、教師から与えたものが「学習課題」。...
0 件のコメント:
コメントを投稿