前号に続き、赤坂真二先生によるクラス会議研究会での学びのシェア。
拡散的思考の大切さと収束のさせ方について。
クラス会議では、最初にアイデアをなるべく多く出すことが大切である。
約束として「最初に出すアイデアは絶対否定しない」というルールだけは共通理解しておく。
なぜこの量が大切か。
講師の赤坂真二先生が、これを富士山に例えて説明していた。
最初のアイデアは、富士山の裾野である。
この広い裾野なくして、高い立派な山はあり得ない。
遠くからだと裾野はよく見えないが、確実にある。
裾野をなくして高く積み上げることなど、不可能である。
(しかしながら、遠くからだと山頂付近しか見えない。)
これは私見だが、よくよく考えれば、高いものといえば、タワーの如きものが思い浮かぶ。
しかし、真っ直ぐと高いものは、どれも、人工物である。
自然に高いものは、裾野部分が圧倒的に広い。
思いきり拡散した後は、収束が必要である。
これは、ねらいによってアイデアを絞っていけばよい。
場合によっては、A案とB案が残って、話し合った結果新たなC案になるということもある。
例を挙げる。
「飼いたい動物」ということでアイデアを募る。
犬、猫、猿、馬、牛、ライオンなど、様々出る。
ここで、実際に飼う動物を決める前に、絞る。
ねらいに沿ったものにするのである。
例えば、家で普通に飼いたいのであれば、犬か猫だろう。
学級で酪農体験をしたいのであれば、馬や牛の可能性もある。
ロバやヤギになるかもしれない。
芸を仕込んで見せたいのなら、猿になるのかもしれない。
一方、ライオンを飼おうというのは、これは集客を考える動物園の場合であり、どんなに飼いたいとしても無理である。
つまり、妥当な選択肢は、ねらいによって絞ることができる。
犬と猫になって議論した後、最終決選として多数決をとるもよし。
「育てやすいものの方がいい」という理由で、突如ハムスターになるかもしれない。
(私は飼ったことがないので、実際に飼いやすいのかどうかは知らない。)
大体、そういう流れになる。
時間があるなら、最初に出たアイデア全てに一つずつふれた方がいい。
しかし、現実的には、なかなか難しいのも事実である。
その辺りは、状況に応じて臨機応変である。
まずは、アイデアを否定せずに全員で認めること。
質よりも量を求める。
量が十分出た後で、絞ればよい。
ブレスト系の会議の基本だが、クラス会議でも大切であると再認識できた。
2018年2月4日日曜日
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