小学館の学びをシェアしようという最中だが、その前に、今伝えたいことを。
本が売れ行き好調で、かつ春の教育書フェアの最中なので、本の出版に関する話。
(ちなみに今回の記事は、「まぐまぐニュース」でも取り上げられたので一応リンクを貼っておく。http://www.mag2.com/p/news/245231)
これまで様々な出版社の方々と話をした。
出版社は、本や雑誌の原稿を書ける人を常に探している。
枠はあるが、それを書ける人がいないというのが出版社の現状である。
つまり、市場にチャンスはいくらでもある。
問題は、書けるかどうかである。
教師の仲間にも、本を書きたいという人は多い。
しかし「もう書いたのある?」と聞くと、9割強の人は「それはまだ」という。
私のように「普通のレベルの人」ならば、それじゃダメなのである。
いつか書きたいのではなく、今何か書いておかないとチャンスは掴めない。
稀に才能に溢れた人がいて、待っていても「書きませんか」と声がかかる人がいる。
非常に優れた実践家であり、周りが放っておかない人である。
自分がそれに当てはまるなら、待っていても大丈夫である。
しかし、そうでないなら、予め書いておくことである。
これが第一のポイント。
そして、今回はここが一番伝えたいことなのだが、最初に書いたものを誰に見せるかが最重要である。
これは、絶対に肯定的な人がいい。
私の場合、現さくら社の社長、横山験也先生だった。
「とにかく書いたのを持ってきなさい」と言われ、持ち込んだ。
この先生にはその前にも「チャンスがあったらまず手を挙げろ」といったことも教わっており、私の人生に大変な影響を与えた人物である。
(そもそもを辿ると、師匠の野口芳宏先生からのつながりである。)
残念ながら諸々の事情から、この後さくら社からは出版できなかったのだが、励まされ、色々手配してくれた。
そして、ある出版社の編集者の方から痛烈な批判を受け、根本的に書き直すに至る。
私の最初の原稿は、お蔵入りである。
しかし、これが土台になっている以上、無駄にはならなかったといえる。
この順番が大切である。
最初に肯定的に見てくれる人がいて、これを認めてくれる。
やがて、的確にダメなところを批判してくれる人に当たり、直すに至る。
この順番が逆だと、最初に挫けて終わってしまう。
やはり、まずは自信が満たされるところからスタートし、厳しい世界で戦うようになるというのが定石である。
だから、最初に見せるべきは、肯定的な人。
批判的な人に見せるのは、いずれ必要なのだが、後回しにした方がいい。
そうしないと、自分の中の「アーティスト」が挫かれることになる。
以前からのメルマガ読書の方々はご存知の通り、この後私の道を切り開いてくれたのは、親友の飯村友和氏である。
私のブログ記事を読んで、肯定的に受け止めてくれ、「一緒に本を書こう」と誘っていただいた。
それが私の初の共著による単行本『やる気スイッチ』として世に出た。
https://www.amazon.co.jp/dp/4181646149
夢を応援してくれる人に当たるためにも、その人に出会う前の段階は自分で済ませておくことである。
とにかく書く。
それを信頼できる肯定的な人に見てもらう。
このステップがコツである。
そして、「いつかとお化けは見たことない」のだから、今動くこと。
そのために、新年度からの実践を記録しておくこと。
「いつか自分の本を書きたい」と思っている人へ、ちょっとだけ前を歩いている私からのアドバイスである。
2017年5月13日土曜日
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