運動会等の勝負事では、勝ち方が大切である。
正々堂々、ということを重視する。
私は高校時代、サッカーをやっていた。
1年生は、公式戦に出られるのは突出した能力の1人か2人である。
多くの1年生は、試合の時、コートの周りで球を拾う係になる。
その時言われていたことで、嫌で嫌でたまらなかったことがある。
「試合終わり間際で、勝っている時はゆっくり拾いに行け。
負けている時は、すぐに拾ってこい」というものである。
実にくだらないと思った。
そんな勝ち方をしてどうするのか。
プライドはないのか。
勝てばいいのか。
そんなことを友人に話したら「勝ちにこだわることも大切」とのことだった。
これは、観によるのかもしれない。
私には、この考え方がダメだった。
これを思い出させる出来事が運動会であった。
球運びのような競技で、隣のチームと五分五分で争っていた。
その時、隣のクラスの子どもが、ボールを結構な勢いで落とした。
ころころと転がり続け、私のクラスの子どもの列に入ってきた。
ここで、その子どもは、ボールを止めて、相手に返した。
原則、相手チームのボールが転がってきたら「さわらない」というルールである。
子どもが「しまった」という顔をしたので、「当然のことしただけでしょ」と言ってあげた。
ボールが転がってきたから、相手に返した。ごく普通のことである。
こういう場面で、普通のことを普通にできることが大切である。
美談に仕立てているように見えるが、本当に普通のことを普通にしただけである。
「相手のために」とか高尚な思いがあったとは思えない。
親切を、ただ普通のこと、当然のこととして行う。
日常生活でもいえることである。
私はクラスの子どもを、素敵だと思った。
勝負事は、勝てばいいのではない。
勝ち方が大切である。
勝ちにいく時は、爽やかに勝ちにいきたい。
2016年7月5日火曜日
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