今回のCOVID-19対策として、学校で「オンライン学習」という形をとってきた。
教師対子ども、あるいは子ども同士のコミュニケーション手段は、チームズというクローズドの中ではあるが、SNSである。
そうすると、SNS特有の様々なトラブルというのが、当然起きる。
肖像権や著作権等のルール違反も、当然起きる。
ここが大切なのである。
こちらからもある程度見えるクローズドの世界で起きるので、対応できる、指導ができる。
いきなりオープンなネットの世界で大失敗をしてしまうと、助けようもないし、取返しがつかない。
つまりは、学校が、ICTの活用やネットの世界に関連する様々なことの、練習になるのである。
いきなり本番よりも安心である。
データを見ると、小学校ではスマホ所持率は3割程度である。
しかし中学以降で子どもにスマホをもたせる家庭が7割を超える。
そこで持たせることに不安な保護者は多い。
当然である。
いきなりネットやSNSの世界に出ることになるので、危険なのである。
きちんとそこへの教育を受けた人間が出たのであれば、多少なりとも安心感が出る。
つまり今の時代、先に学校がICTやSNSに関する教育をする必要がある。
最初は、ある程度自由にさせてみる。
すると、問題が起きるので、制限をかけていく。
その制限がかかっている場でしばらく様子を見る。
上手くなってくるので、それらの規制を、段々と緩めていく。
通常の学級指導と同じである。
学校で、来たるべき危険への対処練習をしておくことが大切なのである。
これに関連して、長年問題となっているのが、日本の性教育である。
海外に比べて、学校教育で扱う範囲が大変小さい。
また、家庭教育でも「タブー」のようになっていて、更に範囲が小さい。
結局先延ばしして、見ないふりで終わり、という方向性である。
では子どもたちは実際それをどこで学び覚えるのかというと、インターネット上などの歪んだ性の世界である。
もちろんきちんと子どもの性の悩みに正対した心理カウンセリングなどのページも多くある。
しかし、そういったものとは違ったところから、誤った知識を先行して得てしまうというのが現状である。
これらは、学校におけるケガの大切さと根本は同じである。
学校で、仮に全くケガをしないように完璧な環境整備とルールの徹底をしたとする。
子どもは木や高いところから落ちることはないし、転ぶこともない。
小さなケガを全くしないのである。
こうした子どもたちが学校を卒業した後に直面する世界は、危険だらけである。
実際は、学校ではたくさん転ぶし、危険な目にもあう。
大怪我だけはないように細心の注意を払うが、小さなケガまでしないように全て制限してしまっては、体育などできようもない。
転ぶから、手をつけるようになるのである。
柔道でも、最初に学ぶのは受け身だし、自転車でもスノーボードでも、転び方からスタートである。
正しい知識を得て、正しい失敗への対処の仕方を学ぶ。
それがあって、初めて危険も多い外の世界に安心して踏み出せる。
失敗も含めて、学校でICTを活用し、疑似でもSNSを体験しておくべきである。
そのためには、環境整備。
今後は、GIGAスクール構想も本腰を入れていくようなので、期待していきたい。
学校は、社会に出る前の失敗を経験する場。
成功ばかりが注目されがちだが、失敗にこそ学校教育の本質があると考える次第である。
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