福島を「被災地」という面だけ切り取って思ってみると、痛々しい。
しかし、純粋に一つの場として見た時、とても素敵な場所である。
「被災地に学ぶ会」では、作業を開始する前に、必ず全員で黙祷を捧げる。
その時、聞こえてくるのは、風の音、川の音、ウグイスの鳴き声である。
山々に響き渡る、美しい音や声である。
見回すと、空も緑も山々も本当に美しい。
相馬小高神社へ向かう道を自転車で走れば、川がらきらと光を照り返して流れている。
神社の木も大変に立派で、神々しさが感じられる。
ここの神社では、毎年7月下旬(2017年は7月29日~31日)に「相馬野馬追(そうまのまおい)」という、馬で馬を追う伝統行事が行われる。
中日の30日には、大迫力の甲冑を着た騎馬武者たちのレースが見られるという。
平将門の時代から、1000年の歴史を誇る、「相馬」の地の名に相応しい行事である。
相馬復活に向けた原動力として、盛会になることを願っている。
思えば、「被災地」となるまでは、元々美しい土地として誇っていた場所である。
桃の産地としても有名で、わざわざ福島産を選んで買っていたぐらいである。
すぐ南の県の茨城県水戸市にも、日本三大庭園である偕楽園がある。
北には、牡蠣の産地として有名な三陸海岸もある。
あの海岸線沿いの土地は、元々がどれも美しい土地なのである。
今、被災地に足りないのは、若いエネルギーである。
若いエネルギーが注がれれば、元の美しさを取り戻せる。
高齢の方々だけでは、成り立たない。
ただでさえ限界集落が多い中、正直厳しい面があるとは思うが、若者が土地に根付く環境が必要である。
そのために、福島だけでなく岩手や宮城などでも、NPO法人を立ち上げている人たちがいる。
復興に向けた動きは、確実に進んでいると感じた。
歩み始めたことと、ボランティアが必要なことは、同義である。
ボランティアセンターや各NPO法人など、金銭面での支援も大歓迎だという。
できる人ができる時にできることをする。
「自分」の範囲はどこまでか。
家族までだろうか。
同学年の同僚までだろうか。
職場全体までだろうか。
町か。
県か。
「関東」というような地域か。
日本か。
一番大きいと「世界」か。
どれにしても「自分」が所属しているのだから、無理なく、何かやれることをやれたらいいと思う。
2020年の東京オリンピック開催時に、福島を訪れる外国の方もいるのではないかと思う。
世界に「おもてなし」の国として認識された日本の美しさを誇るためにも、被災地への支援は続けていきたい。
2017年7月17日月曜日
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