先月もまた「被災地に学ぶ会」に参加させていただいた。
今回も福島県の南相馬市である。
遺伝子工学の第一人者である、筑波大学名誉教授の村上和雄には
「人間には、利他の遺伝子がある」という。
人間の細胞そのものが、相互共存しようとする遺伝子によって成立している。
一方で、遺伝子は利己的でもあるという。
利己的で利他的。
一見、相反する要素をバランス良く備えているという。
ボランティア活動とは、「やらせていただく」ものである。
人様のために自分の力を少しでも提供させていただく。
最初は「やってあげる」つもりでも、自然と抱く感覚である。
大きな団体でも、最近被災地支援を打ち切ったという話をきく。
主な理由は「もう十分に復興した」という誤解である。
大きな誤解である。
まだ全く復興に至っていない。
荒れ果てて、人が帰って来られない状況なのである。
ひどいところは、手つかずである。
また、どんなにやっても終わらない、本当に自分が役立っているのか疑問になる、というのもあるかもしれない。
ボランティアの活動は、あまりにも地味で地道である。
「牛歩」「泥臭い」という言葉がぴったりである。
何なら、出先で怒られることもある。
割に合わないと思う人がいるのも、至極当然である。
それでも、やれることを少しずつ積み重ねていくしかない。
終わりが見えなくても、立ち止まっていたら、いつまでも辿り着かないと思う。
そして一人の一歩より、多くの人の一歩の方がいい。
だまされたと思って、一度参加して欲しいと願う次第である。
人間には利他の遺伝子があるのだから、確実に何か得るものがある。
結局は自分のためだと思って参加してもらっても構わないと思う。
「被災地に学ぶ会」の村田先生は、震災の年からこの活動を続けている。
「そして今後10年は続けるつもり」という。
参加チャンスはまだいくらでもある。
興味がおありの方は、いつでもご連絡いただきたい。
2017年7月13日木曜日
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