読者の方から質問があったので、回答した。
他の読者の皆様にも参考になりそうなので、「寺子屋」としてシェアする。
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学級開きの際から、前担任のカラーが入っていて困っています。
前担任が「怖さ」で従わせていた場合、次の担任に従わないことがあると思います。
このような場合、何から、どのようにスタートしていけばよいでしょうか。
また、お試し行動、注目引きなどが続く場合の対応について教えてください。
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では、回答します。
前担任がどうであれ、自分の強みで勝負していきます。
ご自身の強みは、何でしょうか。
例えばエゴグラムでは、人間の持つ性格を次の5種類に分けます。
1厳格性(父性)
2包容力(母性)
3現実検討の力(大人の心)
4遊び心(自由な子供心)
5従順な心(従う子供の心).
これら5つのどれかではなく、みんな5つあってどれかが強いということです。
一般に、学級担任などのリーダー的立場の人は3が強いことが求められます。
恐らく、前担任は1が強いのでしょう。厳しい指導に頼りがちになります。
ただ1のタイプは、規律の乱れすぎた学級を経験して、それを嫌だと思っていた子どもたちからは頼られます。
ここからも自分の強みが見えるはずです。
2が強いタイプなら、子どもの話を聞いたりしてつながれます。
3が強いタイプなら、問題解決をすることで信頼されるようになります。
ここには授業力も含まれます。
4タイプなら子どもと遊ぶことでつながれるでしょう。
5タイプなら素直さや純粋さ、真面目さで引っ張れます。
先生自身の得意分野に引き込むことです。
そもそも、子どもはどうして先生に従うのでしょうか。
従わせる必要は何でしょうか。
言うことを聞かないのは4の子ども性の顕著な特徴の一つです。
子どもは、4と5の両面があり、かつどちらかが強いものです。
「従わせないでこちらの意図する方へもっていく」という考え方もありです。
「力のつく授業」
「たくさん子どもと遊ぶ」
「話をたくさん聞く」
どれならできそうでしょうか。
力のつく楽しい授業をしてくれる教師は、「先生」として認められます。
遊んでくれる教師には、反抗しづらいというのがやんちゃな子どもの本音です。
話を聞いてくれる教師は、安心できるというのが大人しい子どもの本音です。
学級開きに関しては、下記の本が使えると思います。
https://www.amazon.co.jp/dp/4181852156
私の書いたものもあるので、参考にしてみてください。
また、子どもの価値観はころころ変わり、柔軟性があります。
怖さで従う価値観は、命に関わる緊急時以外は役に立たないので、さっさと壊してしまいましょう。
日常的に価値づけをしていきます。
ノートへ価値語を記す実践をやっている先生もいますが、それも有効です。
お試し行動や注目引きについては、「意図的な無視」の対応が原則です。
予め「あなたとみんなのために、良くない言動はわざと無視することがあるよ」と伝えておくのがポイントです。
「気になる子を気にしすぎない」というのが大切です。
こちらについては同シリーズの下記の本にも書いてあるので、よければお読みください。
https://www.amazon.co.jp/dp/4181856119/
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以上が質問に対する回答である。
何かのお役に立てば幸いである。
2016年10月6日木曜日
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