体育の、例えばゴール型ゲームの指導で、ゲームを行う。
そうすると、子どもは勝ち負けにこだわる。
まあ、当然である。
勝負ごとなのだから、勝ちにいく。
このとき、何をもって「勝ち」とするかが大切である。
勝負には勝った。
しかし、誰か一人のワンマンプレーで勝ったとする。
または、チーム内の誰かが嫌な思いをしたとする。
はたまた、勝って相手を馬鹿にしたり、傲慢になったとする。
こうなると、表面的に勝負として勝っても、実質の「負け」である。
価値観ならぬ「勝ち感」を大切にする。
その勝負に負けたとしても、チームとして前回よりも向上が見られたとする。
例えば、作戦自体はうまくいったが技能不足で失敗があったとか、初めてシュートをしたが外れたというような場合である。
この場合、チームがレベルアップしたという「勝ち感」を持つことができる。
そのために、教師がその視点を与えることが大切である。
今回の本にはこれは書いてないが、これも切り返しの技術である。
「先生、うちのチーム、また負けちゃったよ」の言葉に対し、どう切り返すか。
例えば、こんな風に切り返す。
「でも、〇〇さんがシュートうてたね!初めてじゃない!?すごい!仲間のお陰だね!」
要は、価値付けである。それによって、「勝ち感」を持たせる。
ちなみにこれは、決まった台詞ではない。
その場で、状況に合わせて、ぱっと出すのである。
ぱっと出すのであるが、準備はしてある。
どういう準備かというと、「勝負に勝つ」以外の価値を見出しておくことである。
そうすれば、自ずと切り返せる。
要は、切り返しの技術の核とは、哲学的な部分なのである。
何に価値を置くか、ねらいを置くかで、切り返しが決まる。
学級経営は、不断の選択の連続である。
だからこそ、学級経営における切り返しの技術を身に付けておくことは、前向きな選択につながる。
特に子どもの言動にどう返そうか悩む若い先生にこそ、身に付けてもらいたい技術である。
2016年3月22日火曜日
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