公開研究会では、こうもり振り下りの授業展開を見ていただいた。
この授業は、私自身の憧れからスタートしている。
前にもお伝えしたが、萩谷高史先生のセミナーの映像である。
こうもり振り下り。
萩谷先生の教えた子どもの見せるウルトラCの技の数々。
その中の中心を占めるといえる技が、こうもり振り下りだった。
見た瞬間の感想は、
「あれは、ちょっときつい」
である。
「体の軽い子どもなら・・・」とも正直思った。
しかし、である。
「自分もやってみたい」というのが、本当のところ。
私は元来、単純な性格なので、憧れると熱中しやすい。
「やってやれないことはない」と考えた。
そこで、研究してみた。
色々な本を読んだり、映像を見たりしている内に、気付くことがあった。
多くが、前方(鉄棒にぶら下がった上体での背中の方向、着地の方向)への指導であった。
しかし、着目すべきは、後方への振りであると思った。
予備動作である。
バッティングで言うなら、ミートの瞬間というより、バックスイング。
予備動作の結果として、自然と望ましい動き(結果)が引き出される。
理論的には、正しいはずである。
この通りにやれば、できるに決まっている。
実際に、やってみた。
まさに、陸の上の水練。
実際やると、それだけではうまくできないのである。
着地できるはずが、四つん這いの姿勢で、べたっとマットに這いつくばる。
そして、膝の裏が強烈に痛い。
原因は、軸にあった。
膝裏を軸とした振り子運動であるため、この軸がぶれると、振り子の力が激減する。
そこで、補助をお願いした。
何とか、着地できた。
しかし、膝がうまく外れない。
そこで・・・
次は、膝が痛いのを何とかする。
そこで・・・
今度は、膝が痛くない分、落下しやすくなった。
そこで・・・
・・・・・・・・・・・・・・
こんなことを繰り返して、何とか自力でも着地できるまでに至った。
(上手いとは、到底言えないレベルである。)
自分の経験を通して、何ができない原因かを、実感として掴めた。
そして、途中の危険も知った。
マットは必須。最悪落ちても事故を防げる。
補助はあった方がいい。
安心感で、技の精度が上がる。
「何でここができないのか」に、共感できる。
やはり、自分は泥臭くいくのがいいと感じた。
率先垂範・主体変容。
ここに尽きる。
かっこよくスマートにはできなくても、そこから得られるものが必ずあると実感した。
2015年8月1日土曜日
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