他人様が「どうぞ」「やりますよ」と言ってくださるような時には、素直に受け取る。
好意は素直に受ける。
それを頑なに拒むことを「頑固」という。
頑固より素直がいい。
次の本を紹介する。
『教師の覚悟――授業名人・野口芳宏小伝』
松澤正仁 (著) さくら社
http://www.amazon.co.jp/372/dp/4904785916
野口芳宏先生を徹底的に研究している宇和島の松澤先生という方の書いた「伝記」である。
ただの伝記ではなく、そこから溢れる「人生観」「教育観」が消化しきれない程学べる良書である。
教育観を磨きたいという本メルマガの読者には最適な本である。
「師の野口先生に関する本だから宣伝する」というようなこととは全く関係なく、確実にためになるし面白いので無条件におすすめする。
本の中に、次のようなエピソードがある。
「厳父」という項。
「父は愛情深く温かいだけではない。時に厳父とも言える行動も見せている。」(「」内は本文より引用)
どういう話かというと、小学2年生の時、叔父さんが小遣いをくれたという。
野口少年はそれを遠慮して断り続けた。
父が「受け取れ」と言ったにも関わらず、頑なに拒んだ。
すると父に猛烈に叱られて、泣きじゃくりながらお金を受け取ったという話である。
この話の後に、次のように書かれている。
「私はそれからというもの、人の好意を素直に受け止め、感謝できるようになったようだ。
これが、私の人生の中で最初に出合った手厳しいターニングポイントである。」(「」内は本文より引用)
これが「人の好意は素直に受ける」という人生観をもたらしたという。
この話の項の後には、次のように続く。
「子どもを褒める時がある。褒められたら、その子は素直に感謝する子に育てなければならない」(「」内は本文より引用)
要は、好意を素直に受け取ることが、自分にとっても相手にとっても利をもたらす。
「自利即利他」である。
英語で言うと「WINーWIN」の関係である。
好意は素直に受け取る。
得意な人に頼る。
頼まれたら断らない。
共生社会において最も大切な考え方であると思う。
2015年8月29日土曜日
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