陸上記録会、運動会という運動系の大きな行事が終わった。
運動系の行事は、勝負事がついて回る。
結果の分析と取り扱いが大切である。
まず表面的な結果として、勝ったか負けたか。
賞をとったとか優勝したとか、そういうことである。
この段階をクリアすることが「目標」である。
しかしこういった賞などは、あくまで目標(道しるべ)であり目的(まと、ねらい)ではない。
より大切なのは、実質的な結果として、勝ったか負けたか。
行事を通して、どんな成長や変化があったかということである。
ここが目的である。
目標の方で思う結果が得られなかった時は、反省しやすい。
悔しさや反省が次へのバネになり、実質的な結果として「勝ち」になりやすい。
目標も、依然として目標として存在し続けてくれる。
どちらかというと、目標の結果が得られた時の扱いの方が難しい。
実質的に「負け」にならないよう、事後指導が大切である。
勝ったのに残念なパターンを考える。
A 勝ったが周りに文句を言われる
勝ち方に問題があった場合。
何か不正と思われてしまう行為があった時にクレームとして起こる。
本人達としては一生懸命やったのに、そうとられることもある。
友達同士のトラブルなどに発展する。
モラル面の指導や、やり方に原因があることが多い。
B 勝って傲慢になる
勝利至上主義でいくと陥りやすい。
負けた相手を馬鹿にしたり、勝ったことを自慢したりする。
日常指導の負の遺産。
自分勝手な問題行動に発展する。
C 勝ったが燃え尽き症候群
それ一本に絞ってやらせすぎた場合に起こる。
目標を急に見失い、他のことまでやる気を喪失する。
D 勝ったのにもうやりたくないと言い出す
駅伝やマラソン指導、水泳など、苦しさに耐える競技で起きやすい。
びっちりやらせすぎて、中学に上がったら全くやらなくなるというパターン。
親や指導者の期待に応えようと無理をし続けた後に起きる。
まだまだあると思うが、経験上多いのが上記4パターンの「勝ったが負け」パターンである。
ひっくり返せば、「勝って勝ち」パターンも見える。
A「勝って周りからも称賛」
B「勝って感謝し、謙虚になる」
C「勝って他のことにもやる気アップ」
D「勝ってもまだ続ける」
その先が見えていれば、指導の仕方も自ずから変わる。
経験から見えることも多いので、なかなか難しい面もある。
「勝たせる」ための技術的な指導と同時に「心づくり」の指導も日常的に心がけたい。
2014年6月21日土曜日
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