「しれっ」とした雰囲気の学級がある。
入った瞬間でわかる。
子どもの目がどろんとしている。
基本的に態度が横柄で、居心地の悪い空気が流れている。
オープンな雰囲気の学級がある。
入った瞬間でわかる。
子どもの顔が明るい。
基本的に人への接し方が丁寧で、かつ人懐っこい。
研修や公開等で初めて訪問する場でも、空気の良さが伝わってくる。
何が違うのか。
子ども個々の質が違うのではない。
集団への安心感の差である。
安心感があると、人間は明るくなる。
学校では暗いのに家ではとても明るいという子どもは、学校は不安で家が安心なのである。
同じ人間なのだが、場によって生じる現象が違うので、性格が異なって見えるということである。
子ども同士、あるいは教師との関係がぎすぎすするのは、安心感の欠如が最も大きな要因である。
ここで勘違いしてしまうのが、「優しい先生」「面白い先生」の方向である。
これは確かに安心感を与える一つの形態なのだが、優しさと面白さが、自分軸によるものだと、結果が変質する。
愛情や信頼感が、頼りなさや優柔不断、だらしなさや卑下に変質する。
先に必要なのは、信頼感である。
昨年度まで、周りと違うといじめられていた、ルールが通らないで苦しい思いをしていた子どもがいる。
この子どもたちが、自分を出しても大丈夫、正しいことをすると認められると感じる必要がある。
それがあれば、子どもたちは安心して過ごすことができ、表情も柔らかくなる。
ここは、リーダー次第である。
最初から素晴らしく出来上がった集団でない限り、リーダーシップをとらないと、ここは自然には出来上がらない。
これは、大人の通う職場でも同じである。
しれっとした雰囲気や、皮肉屋が幅を利かせるような職場は、安心が確保されていないのである。
立場や経験が上の人が威圧的で抑え込んでいたり、逆に無法地帯化していて、常に不安なのである。
リーダーの最初の仕事は、安全・安心の確保。
学級づくりの基本のキである。
2020年7月6日月曜日
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