2018年9月19日水曜日

子どもは本能的に見抜く

学校のアサガオに水をやっていたら、通りから柵越しに声をかけられた。
この学校の卒業生の方だという、80歳の女性である。
自分もかつて高校で教師をやっていたので、つい声をかけたくなったという。

たまたま出会った方だったが、面白い話がたくさん聞けた。
せっかくのご縁をいただいたので、備忘録も兼ねて、ご縁を生かすつもりでいくつかシェアする。

その女性が、高校で教師をしていた頃の話である。
教室に入ると、すごい剣幕で暴れている男子生徒がいたという。
ある教師に「お前はバカだ」といわれて激昂していたらしい。

そこで、担任であるその女性は、次のようなやりとりをした。
「あなたは人にバカと言われたらバカになるの?」
「・・・」
「じゃ、今私をブスって言ってみなさい。」
「言いたくない。」
「いいから言ってみなさい。」
「・・・ブス。」
「ブスになった?」
「ならねーよ!」
「じゃ、あなたもバカじゃないわ。
 いい、他人に決められることじゃないの。
 自分の尊厳は自分で守りなさい。」

リアルに金八先生である。
体当たり感が素敵である。
体が小さくても、迫力があるとはこういう状態である。
そして、あまり普通は思い付かない対応である。

話を聞いている内に、どうやらかなり哲学関係の勉強をしている方とわかった。
私は「あなた、マルクスの『自省録』読んだことある?」
と聞かれた。
「読んだことありますね。半分ぐらい・・・」
と答える私。
「きちんと読みなさい。何回読んでもいい本よ。」
とおすすめされた。

そう、たまたま、最近読んだような記憶があった。
帰って見てみると、私の「半年以内積ん読コーナー」に入っていて、何か「ぞわっ」とした。
ご縁である。
(という訳で、今は『自省録』熟読中である。)

「子どもは、勉強している先生を、本能的に見抜くのよ。
 勉強して勉強して、子どものために、立派な先生になりなさい。」
と言って、爽やかに去っていかれた。

自分が、勉強する。
それが、子どものためになる。
そうなると、これはもはや職務上の責務でもある。
堂々と「勉強してます」といえるようになりたい。

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