今回も「まぐまぐニュース」で掲載されたものを再掲。
http://www.mag2.com/p/news/356747
何度もおすすめして紹介している「みやちゅう」こと「みやざき中央新聞」2736号からの記事。
https://miya-chu.jp/
ここ4回ほど連載されている、棋聖の羽生善治名人の記事である。
これが面白すぎたので、紹介したい。
棋士の方の書いた記事や本というのは、面白いものが多い気がする。
論理的である一方、直感的である。
文章がぎりぎりの勝負の実感に基づいており、迫力がある。
読んでいてどきどきする。
羽生名人曰く、
大事なのは「ミスをしない」ことではなく「ミスを重ねない」ということ。
羽生名人ほどの人であっても、
対戦を終えて「今日はどこも悪くなかった」と思えるのは、1年で1回あるかないか
だという。
「完璧」と思われる名人ですら、これである。
いわんや私のような凡人が、である。
ミスを重ねてしまう原因は二つ。
1 気持ちの動揺
2 難易度が上がる
1は、後悔によって、冷静さを欠くから。
2は、1によって、それまでの考えや予想が崩れ、未来の方針も見えづらくなるから。
対策としては、
「一息つくこと」と
「反省と検証は後回しにする」。
ミスの最中に後悔しても、「はまる」だけである。
要は、とりあえず置いておき、今の状況に集中することを心がける。
他にも、ミスについての考察がある。
こちらが先にミスすることによって、相手のミスを誘発して、勝つこともあるという。
30年経って気付くミスもあるという。
それはつまり、今の自分にもミスがあるかもしれないということにつながる。
ミスへの考察も、さすがの名人である。
これは、ぎりぎりの真剣勝負を続けている人にしか書けないと思う。
うなりまくりの記事である。
ミスは必要。
曰く「自分なりに許容していくことが大事」。
学級づくりも同様である。
「荒れない学級」を目指すのではない。
ミスをしないことよりも、ミスも含めて自分の学級づくりである。
理想を目指せば、ミスは「必修科目」である。
「名人」が誰よりも多くミスを体験しているのだから、ここだけは間違いない。
犬も歩けば、棒に当たる。
ケガしたくなければ、中に引っ込んでればいいと考える。
しかし、外に出ないことほど、危険なことはない。
ずっと「安全地帯」に引っ込んでいることは、リスクマネジメントの視点からいくと、最悪の手である。
外を歩くからこそ、世界が広がるし、様々な危険にも対応できるようになる。
ミスをしない人生でなく、ミスも含めた自分のチャレンジを肯定していきたい。
2018年5月10日木曜日
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