原田隆史先生のメルマガに載っていて、以前にも転用した、次の名言。
「もしあなたが金槌しか持っていなければ、全ての問題は釘に見えるだろう」
(アブラハム・マズロー)
非常に示唆に富んだ言葉である。今回はこの言葉に関連する話。
個性が本当に十人十色になってきた。
例えば小学生男子の「好きなもの」一つとっても、一昔前のように「野球」で大体カバーということにはならなくなった。
私が小学生の時は、女子は『光GENJI』で半分近く「きゃー」といった感があった。(無論、全員ではない。)
ちなみに「源氏」でも「ゲンジ」でもなく、「GENJI」なのがポイントである。
『モーニング娘。』の「。」と同様に、当時斬新であった。
今は、女子の好きな音楽はジャニーズ系で半数近くカバーということはない。
JーPOPやK-POPのようなアイドル系からヒップホップ、テクノ系から「ボーカロイド」から演歌調まで、本当に好みが様々である。
私の時代だったら差別的であった「〇〇オタク」という呼び名も、現在では「かっこいい」とすら思われる時代である。
とにかく、この個性尊重の時代に合った教育が求められるというのは、至極当然の流れである。
そして今、教育界ではアクティブ・ラーニングが注目の的である。
もはや定着の感があるが、用語として登場した当時は「何じゃそりゃ」という感じであった。
「一斉学習」という言葉は、「個別学習」「グループ学習」という概念が登場したからこそできた。
つまり、それまでは「一斉学習」という「金槌」しかなかった訳である。
そこに「ドライバー」「スパナ」などの他の工具が入ってきたといえる。
算数の学習方などは、なかなかに変遷があり、バラエティーに富んでいる。
「水道方式」「100ます計算」「丸つけ法」「公文式ドリル」「問題解決学習」・・・
簡単に並記できるものではなく、それぞれに賛否両論あるが、どれも「工具」とみなすと、使い方次第である。
今は新たに「アクティブ・ラーニング」という概念が入ってきた。
時代のニーズに沿った流れである。
この新たな工具をどう使うか。
大切なのは、「アクティブ・ラーニング」の授業をするというのが、一斉学習を否定するものではないということである。
目の前にあるのはねじか釘かというように、状況によって必要な工具は変わる。
工具箱の中身が、金槌だけより、ドライバー、スパナ、ペンチと幅広い方がいい。
場合によっては、電動ドライバーも使う。
ドライバーの先端部だって、色んな種類のサイズと形があると知っていれば、適切なものを使える。
今までの持ち合わせの工具では、無理(または強引)という状況に気付いたということである。
どれがいい悪いではない。
前号にも述べたように、幅広く対応できること。
アクティブ・ラーニングの概念そのものが、それを教育界に求めている。
2016年2月15日月曜日
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