前号の続き。
地域の安全・安心を守るヒーローの仕事ということで、警察を例に挙げた。
教室の安全・安心を守るという点で、教師の仕事と共通点がある。
しかし、この点においても、警察と教師は決定的に違う。
何かというと、仕事の目的である。
警察の取り締まりの仕事の目的は、治安維持による地域の正常化が第一。
教師の生徒指導の仕事の目的は、治安維持による学級の正常化に加えて、指導による子どもと集団の成長。
だから、それぞれの目的に合った手段をとる。
警察の仕事と違い、成長を目的とする教師の場合は「お目こぼし」がある。
(逆に、警察でそれは困る。)
また、規則を破ったといって、必ずしも罰則を科さないという点も違う。
どちらも、子どもの成長を第一に考えるためである。
だから、規則を破っても、寛大な措置をとることがあり得る。
また、「次は直そう」と励ますだけのこともあり得る。
一方、寛大に対応しない場合や、厳しく叱る場合もあり得る。
繰り返すが、子どもの成長を第一に考えるためである。
子どもは学級という集団に属しているため、集団としての成長も欠かせない。
「規則第一」では、子ども集団がいきいきと活動できない。
一方、「規則を破っても大丈夫」という空気が醸成されると、これも成長を阻害される。
悪いことも良いことも人間の成長段階の一行為として認められるけれども、最終的に良いことをしている人がいい思いをする。
そういう空気を作ることが、教室の安全・安心につながるのではないかと思う。
失敗が認められる空気というのも、安全・安心の教室の条件の一つである。
規則でがちがちの教室は、息苦しい。
けれど、規則が機能していない教室は、怖いし居るのが辛い。
規則を破ってしまう経験や、叱られる経験も、成長の一過程である。
規則を、あくまで子どもの幸せのために正常に機能させるのが、教師の責務であると思う。
2015年1月27日火曜日
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