8の字&学級経営シリーズ。
今回は次の言葉より。
「できることより変わること」
(『心に刻む日めくり言葉 教師が述べるための 野口芳宏 師道』
野口芳宏著 さくら社 より引用)
8の字跳びに限らずだが、教師はつい「できた」に着目してしまう。
本気でできるようにさせたいと願って、一生懸命熱心にやるほどそうなる。
結果や記録が欲しいのは、当然の心理である。
クラスで一番跳ぶのが苦手な子どもがいる。
何回、何十回やっても、うまくいかない。
「跳べた」という結果だけに着目すると、毎回「変化なし」である。
よく見れば、僅かずつだが変化している。
10回躊躇してから縄に入っていたのが、9回になっている。
中に入って縮こまっていたのが、わずかながらジャンプしようとするようになっている。
そういう小さな変化を認めることが大切である。
「認める」=「見て留める」、つまり見る側の意識にかかっている。
視点がなければ僅かな変化も「あれども見えず」になる。
経験から言うと、毎回ひっかかって跳べない子どもは、「ひっかかるのは悪いこと」というマインドセットがされている。
そうではなくて、縄に入れたこと、入り方が変わったことに価値を見いだせるようにする。
「ひっかかるのはチャレンジした証拠」「ひっかかったら縄に入れたことを喜ぶ」ということを、まず教師がやる。
ひっかかった瞬間に「ナイストライ!」と言うのを口癖にしておく。
主体変容・率先垂範である。
そうすると、周りの子どもにも伝播する。
やがて、本人にも、挑戦意欲が湧いてくる。
「安全・安心」ベースがあっての挑戦意欲である。
挑戦できる安心ベースを作るのは、教師の姿勢。
教師が「できることより変わること」の精神を常に持っておけば、子どもはすぐにできなさそうなことでもどんどん挑戦できる。
忘れがちだが、常に思い出したい言葉である。
2014年11月8日土曜日
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