前号の続き。
8の字からちょっと離れて、マニュアルの大切さについて。
前号でも述べたが、「マニュアル」は語感が悪い。
何というか、機械的なイメージがある。
「こうするとこうなる」というのは、例えば自販機でお金を入れてボタンを押すとジュースが出るというような「仕組み」である。
仕組みの詳細まで知らなくても手段(お金とボタン)さえ知っていれば、結果(ジュース)が出る。
確かにそういう側面がある。
しかし、機械がそうであるように、要は使い方次第で便利なものになる。
便利なものは活用した方がよい。
それが目の前の子どもの成長につながるかもしれないなら、尚更である。
例えば学級経営のマニュアルは、既にたくさんあるものの中から選べる。
他の人がたくさん作ってくれているので、いきなり無理してゼロから作る必要はない。
またたくさん知っていれば良いというものでもないが、一つしか知らないのは危ない。
たくさん知っている中で、特に自分に合うものを深めていくのが一番いいと思う。
今、手元に次の本がある。
『いま「クラス会議」がすごい!』
(赤坂真二 編著 学陽書房)
「クラス会議」についての本である。
前書きにある文の
「わたしたちがしたいことは、格好いい話し合いをする子どもたちですか、
それとも、紆余曲折を恐れず問題に向き合い解決をする子どもたちですか。」
という理念にはじまり、やり方から事例、ケース別対処法まで全て出ている。
「クラス会議」をよく知らなくて、興味があるという方には、特におすすめである。
手順としてのマニュアル化がされているだけでなく、クラス会議を通した様々なエピソードも書かれていて、読み物としても楽しい。
これを読めば、現時点の知識がゼロでもとりあえず始められる。
編著者の赤坂先生だけでなく、4人の実践家の先生が、体験を通して書いているのもいい。
様々なケースに対応している。
複数の人が同じ手法でやっても成功例が出るというのは、それが名人芸でなく、マニュアル化された成功手法という証拠である。
マニュアルを覚えたら、まずは試してみる。
「いつか」は「五日」を過ぎれば一生なくなる。
宝の持ち腐れにならないよう、原則は「覚えたら五日以内に実践」である。
2014年11月14日金曜日
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