2021年10月19日火曜日

タブレット端末使用には大人が監督責任をもつ

 学校から貸与のタブレット端末におけるいじめ問題。

端末の持ち帰り率が高まってきた昨今の重要問題と認識し、改めて取り上げていく。


前々号の記事で、ちょうど次のように書いた。

やや長いが引用する。


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(引用開始)

まず子どもの手に委ねてみる。

ただし、自由は常に責任とセットであり、無条件で得られるものではない。


ICT機器を委ねる際、インターネットやSNSのような機能や個人情報関係が、恐らく大きな心配のもとである。

だとしたら、端末に教職員や保護者がいつでもログインできるようにしておけばいい。

例えばマイクロソフトの「Teams」であれば、子どもの端末以外に何台でも同じアカウントに同時ログインができる。

(保護者のスマホに入れておけば子どもの各アクションへの通知設定もできるし、いつでも見られる。)


それを共通理解した上で使用を自由にする。

使用の自由に対する責任が大きすぎるため、教職員や保護者が一部を担う必要がある。


ちなみに、ここでプライバシーは最優先されない。

最優先事項は、子どもの安全である。(当たり前すぎてわざわざ書くのも申し訳ない。)

GIGAスクール構想の個人用端末はあくまで学校の貸与する学習用具の一つであり、個人スマホと同義ではない。

友達との秘密のおしゃべりや連絡、あるいはゲーム機として使うためではないということ。

ここを子どもたちと「先に」共通理解することである。

(完全に渡した後では遅い。約束事や契約事は、いつでも先出し、先手必勝である。)


まとめると、必要なのは、自由にするための責任をもつ覚悟と、仕組みづくりである。

自由にした相手は、必ずどこかで失敗をやらかすのだから、それを予測して対処しておく。

その手間と責任を嫌がっていては始められない。

(引用終了)

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再度確認するが、インターネットに接続できる端末というのは、かなり強力であると同時に、危険である。

貸与する側に、厳重な管理責任が必要になる。


例えるならば、家庭科室にある包丁である。

料理に使えば命を育む道具になる一方で、使い方を間違えれば命を奪う凶器である。

だから、慣れない子どもたちに対しては使用についての指導が必要である。

危険なものについては、使用中の監視が必要である。


学校においての最優先事項は常に「子どもの安全」である。

実際、学校の内外には監視カメラがいたるところに設置されているが、全て安全を最優先しているためである。

ここに反論は出ないはずである。


そして「安全」というのは、ただ大人が保護して守っていればいいという類の簡単なものではない。

子どもが自らの身を守れるような力をつけることが、本質的な安全教育である。


何でもそうだが、安全に上手にできるようになるためには、挑戦が必要であり、小さな失敗やケガもつきものである。

そこを恐れてやらせないでいれば、ずっと一人でできるようにならないか、ある時大けがをすることになる。

この「小さな危険を克服させないまま、いきなり大きな危険にさらさない」というのが安全教育の大原則である。


初めての自転車の練習に、いきなり車の多い通りを走らせる親はいない。

転んでも大けがをしない装備や準備をさせて、安全な場所で練習の様子を見守るはずである。

最初の頃は、乗ってみせたり、教えたり補助をしたりと、あれこれ手出しするかもしれない。

それらが完璧にできるようになって、道にも慣れて、やがて初めて大通りにも出られるようになる。


そして、しっかり乗れるようになったからといって、安全管理はずっと怠らない。

車体のブレーキ等の点検も必要だし、ヘルメットは必ず被らせる。

出かけるに際しても、どこまで行っていいとか、遠出する時は報告させるなど、必要な監督をするはずである。

「どこに行っても私の勝手」と子どもは言いたいかもしれないが、そこの個人の自由よりも安全が最優先だからである。


ICT機器を渡す時にも、その責任と監督義務が生じる。

貸与する学校の側も、当然様々な手をうつ責任がある。

そして、こと家庭に持ち込む段階になれば、家庭にも監督を依頼し、責任を一緒に負ってもらわねばならない。


そのための一つの例が「アカウントとパスワードの共有」である。

子どものプライバシーは、安全をさしおいてまで優先されない。

学校や親がいつでも見られるという状態を約束しておく。

学習用具であり、子どもの秘密の道具やおもちゃとして貸し出してはいないということを、再三確認しておく。


事前の発見さえできれば、大きな被害を未然に防げる可能性が高まる。

大人の目の届かない場で、子どもの勝手気ままに使わせてしまえば、今後も同様の事故が起き続ける可能性が高い。


インターネット端末の強力さを、学校、子ども、保護者の全員が重々に自覚する。

そして「安全第一」をモットーに、大人の側が監督責任をもつようにする。

大人が使うような手放しの「自由」の状態は、子どもが自分自身で全ての責任を取れるまで成長してからで十分である。

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