前々号で紹介した本からの言葉。再掲する。
『一人ひとりを見つめる子ども研究法の開発』
福山憲市 著 明治図書(1997)
https://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-245416-2
この本の144ページに、次の言葉がある。
「礼儀って、人の心をあったかくするね」
保護者が「悪がき三人組と思っていたけど、見方をかえなくっちゃ。」
と「共育カード」というお便りに書いてきたものを受けてからの、福山先生の言葉である。
自分の子どもの仲良しのお友達が家に遊びに来て、(意外にも)礼儀正しく帰っていった。
そこに保護者は感動したのである。
よく
「社会に出たら、礼儀がないと通用しない」
と言って教えることがあるのではないかと思う。
あいさつについても、そう教えるかもしれない。
しかし、本質は違うのではないか。
人の心をあったかくする。
それが礼儀。
この方がずっと素敵である。
あいさつ一つだって、
「やらないといけない」
と思ってするのと
「人の心があったかくなる」
と思ってするのでは全然違う。
福山先生の師である有田和正先生の実践に、プリントを渡す際に
「どうぞ」「ありがとう」
と互いに一言声をかけようというものがある。
(私も毎年必ず実践させてもらっている。)
これも、本質は
「心があったかくなる」
である。
礼儀は大切である。
学級運営が安定している教室の共通点として、礼儀の指導に力を入れていることが多いと聞いたことがある。
「~しなさい」よりも「~するといいよ」と生活を通して自然に教えてあげられたら、なおいい。
礼儀は、人の心をあったかくする。
「何のために」という目的によって、同じ内容を教えるにしても、全く意味も効果も異なってくる。
名人教師の指導の本質、そして人としての在り方をこの一文に見た思いである。
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