前々号の変化への対応という話と関連。
学校教育でのICTの活用について。
勤務校では昨年からMicrosoft社の「teams」というソフトを活用している。
このソフト一つで、かなりの機能が備わっている。
まず、オンラインの学習の場として活用できる。
オンデマンドでも可能だし、各ご家庭でのリアルタイム授業もできる。
掲示板として使うこともできる。
学年便りでまとめて伝えるような連絡も、必要な時にその都度送ることができる。
学年からの手紙はほとんど配らず、連絡関係はほぼこれ一本である。
子ども個人とメッセージやデータ等のやりとりができる「プライベートチャネル」という使い方もできる。
私の学級では、総合的な学習の時間の発表資料をそこに保存して活用した。
子どもが自宅で作ったものを保存して、そのまま学校で使えるので便利である。
このプライベートチャネルは個人的な相談にも使えるし、日記としても活用できる可能性がある。
実は個人の連絡帳としての活用もできるが、現在は普通の紙の連絡帳を用いている。
前提としてプライベートチャネルが「子どもが活用するもの」だからである。
このプライベートチャネルは、個人面談にも活用している。
(この時は、結局保護者も活用していることになるが・・・)
感染症対策等で対面での面談が難しい時期には、特に助かる機能である。
現在の感染症の広がりを見ると、これからますますの活用が予想される。
他にもまだまだ活用できていない機能が多々ある。
現場の活用の声を受けてアップデートもされるため、今後はさらに活用の幅が広がっていくだろう。
こういった新しいツールが使えるようになるために、最も大切なことは何か。
それは、できなくても、とりあえずやってみることである。
英語が話せるようになるのには、話せなくても現地で生活するのが一番近道という話と多分同じである。
子どもが遊んでいる内にパソコンでも何でも使いこなすのと多分同じである。
私たち職員の間でも、会議等での活用、練習ももちろんしたが、別個に半分遊ぶ感覚でお喋りをしながら、使い方を覚えた。
さて、オンラインツールが学校に入ると、校務が楽になるか。
そんなお花畑なイメージはないと思うが、実際、単純に楽になる訳ではない。
単純に考えて、覚えることとやることが増えるからである。
校務としては、しばらく「重くなる」といってもいい。
では、ない方がいいかというと、これはあった方がよい。
先に例に挙げた通り、機能的にはかなり便利である。
つまりは、使い方次第である。
ただ、新しいものを古いものの上に単純に載せるだけだと、重くなるという話である。
新しいものを取り入れるなら、古いものは順次削除していく必要がある。
そうしないと、どんどんどんどん、永遠に重くなる一方だからである。
パソコンでも同種の新しいソフトをインストールする時、古いものはアンインストールするのが当たり前である。
例えるなら、新しい製品を買ったのに、古い製品も「まだ使えるから」「慣れてるから」と無理矢理使っているようなものである。
大抵の家庭において、洗濯機が二つも三つもあっても意味がないだろう。
全自動の乾燥機付き洗濯機を購入した時点で、これまで大活躍してきた二層式洗濯機は処分するはずである。
それを無理に両方使うとなると、逆に面倒である。
先の「teams」の活用例で考えてみる。
例えば、掲示板機能。
これは、やがて紙のお便りが不要になるということである。
ただし、全家庭が自由に見られるというインフラが揃うまでは、紙での連絡も合わせて行うことになる。
その間は、負担増である。
紙とオンライン掲示板とは、それぞれ長所と短所がある。
紙は、手元に残せる。
一方で、誤字脱字等、修正がきかないので、完璧に作る必要がある。
間違いがある場合は、全て回収して刷り直すことになる。
オンライン掲示板は、即時性が最大の強みである。
さらに、書きこんだ後でも、すぐに修正ができる。
一方で、そこを見る習慣がないと、情報がきちんと相手に伝わっていないことも多いという欠点がある。
教科書もデジタル化する。
まだ実際に使っていないので書けないが、これも予想できる長所と短所はある。
少なくとも、通信教材で用いられているタブレットを見ると、その場で教えてくれるのでとても便利そうである。
(そういう機能がどの教科書にも恐らく付くものと思われる。)
一方で、機械である以上、落下等による故障やデータ破損は免れない。
紙なら「汚れている」「落丁」程度で済むところが、そうはいかない。
その面の不具合は確実に出ることは容易に予想がつく。
それらのマイナス面も含みおきである。
いずれにしろ、使ってみないことには良さはわからない。
何でもやってみれば見えることがたくさんあるはずである。
そして、新しいことを取り入れるなら、やめる、捨てるものを選ぶことはもっと重要である。
ICTの導入が、子どもにとっても教える側にとっても、未来に希望がもてるものとなるよう活用していきたい。
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