つい先日、千葉県の教員採用試験の二次選考があった。
この採用試験というのは、学校現場にとって非常に重要な意味をもつ。
以前も書いた気がするが、記事を探しても見当たらないので再度書く。
ずっと前に「東京教師塾」で、塾頭の原田隆史先生に次のような話を伺った。
(記憶を辿っているので、あやふやな面もあるがご容赦いただきたい。)
どの県のどの学校でも、多忙の原因の上位に「人が足りない」という声が上がる。
そこで、ある県では対策として費用を投じ、教員を大量に採用して少人数学級を実現したそうである。
これで担任の数も増え、教員の多忙化にも歯止めがかかるはず。
実際には、何が起きたか。
以前よりも学級崩壊が多発し、多忙化に余計に拍車がかかったという。
(予防に対し治療は10倍以上の労力を要する。)
原因の一つに、大量採用によって急に門戸が開きすぎたことが考えられるという。
要は、今までなら採用しなかった人材をも、数が足りないのでとにかく採用することになる。
そうすれば、本来なら教師の仕事への志がそんなに高くない人や、現段階では採用に適さない人材も含まれることになる。
(人材としては適しているのに試験に弱いという人も中にはいると思うので、その面ではプラスのチャンスでもある。)
経験のない新規採用者が多いということも考えられるが、新規採用者の質も問われる形となった。
要は学級担任を考える場合、量も必要だが、やはり質なのである。
試験内容を吟味し、適した人材を厳選することが大切なのである。
(ただ現実問題、そう悠長なことも言ってられない現状はある。)
この場合の必要な「質」とは、格段晴らしい実践をする人のことではない。
教育実習生の段階から言えることだが、情熱があって一生懸命で、何とかかんとかやってくれそうな人物である。
そこさえ落とさなければ、現場としての最低基準は満たされる。
そう考えると、採用担当者というのは、非常に大切である。
膨大な数の人を相手しているのだから、選別の目も鋭い。
面接を受ける際は、誤魔化さず、どうせ見抜かれていると腹を括ることである。
(だからこそ、服装のような全員が当たり前のところで無駄に印象を落とさないことが大切である。)
採用された後は採用試験とは無縁のようだが、実は大いに関係がある。
我々の未来の仲間を採用するにあたり、果たしてどんな選別がなされているのか。
採用試験に関心をもつことには意味があると思う。
2017年8月22日火曜日
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