ちょうどひと月前の学級懇談会の前に書いた記事。
学級懇談会は、自分の担任している子どもの保護者が一堂に会す、数少ないチャンスである。
指導方針はじめ、あらゆる共通理解をするには、またとない機会といえる。
特に若い人にとっては、子育て経験の長い人や年長者も多い中で特別な立場として話さねばならないということで、緊張もする。
しかし、確実に必要な機会である。
私の本音としては、授業参観の方はやろうがやるまいがどちらでもよくて、懇談会の方を多くやりたいと思っている。
授業はあくまで子どものためで、本来は子どもさえいればいい。
誰に見られようが何しようが、子どもの成長の結果には影響しない。
一方の懇談会は、保護者と担任が協力することで、今後の子どもの成長の方向性が変わる大切な機会である。
懇談会は、大まかに次の流れで行った。
伝達事項が混乱しないよう、敢えての学年統一である。
1 担任自己紹介
2 保護者自己紹介(わが子のよいところを添えて)
3 学年・学級指導方針
1と2をやる理由については、お互いを「知る」ということに何よりも価値があるからである。
全く会ったことのない場合と、面識がある場合では、同じことを見聞きしても、受け取りが大きく変わる。
さて、3の指導方針の中で「自分の頭で考えて行動できる子どもの育成」を挙げた。
そのために、「話を黙って聞く」を先に指導するということを宣言した。
一見、真逆に見える指導方針と内容だが、これらはつながっている。
「自分の頭で考えて行動できない子ども」を考える。
それは、善悪、良否の判断なしに、他人の命令に無思考で従う子どもである。
「優秀なロボット」である。
これにしないということが肝要である。
一方で「人の話を黙って聞けない」という子どもを考える。
自分だけが大事で、自分勝手に動き回って喋りまくっている子どもである。
無秩序である。
考えて行動するということの中には、他者への影響まで考える必要がある。
黙って話を聞けること。
自分の頭でじっくりと考え行動できる子どもの育成のためにも、実はここがスタートになる。
学力の根本は、聞く力だからである。
誰しもが、自分を重んじて欲しい。
だからこそ、他人を重んじる必要がある。
人の話をよく聞くこと。
そうして、自分の話をよく聞いてもらえる環境をつくること。
これらは、学級の中において、一体である。
さらに、聞ける、聞いてもらえるという状態になると、互いに感謝の念が湧きやすくなる。
自分の苦手なことや困っていることを、他者に助けてもらえるようになる。
そうすると、自分の得意を生かして、チームに自ら貢献したくなる。
結果的に、自分の頭で考えて行動できる子どもに近づいていく。
学級懇談会は、働き盛りの方々の貴重な時間を割いてもらっているため、多くは語れない。
大まかな方針、ポイントだけを伝える。
その後で、学級通信や連絡帳、あるいはインターネット上の連絡手段を利用し、こまごましたことを伝えていく。
直接語って伝えられるチャンスは、本当に少ない。
懇談会は、貴重なチャンスである。
懇談会はピンチではなくチャンスだと思って、今後のために大いに生かしていきたい。
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