2019年2月1日金曜日

幸福より充実

昨年末、木更津技法研の忘年会があった。
そこでの野口芳宏先生との会話からのシェア。

齢八十二という人生の大先輩である野口先生に「人生の目的」について尋ねてみた。
その中で
「幸福は利己。充実は利他。」
という言葉があった。

酒席での話で録音していた訳ではないので正確には再現できないが、次のような話だった。
「幸福になるのは誰でもできる。
子どもでもできる。
人にしてもらうこともできる。
しかし、充実は違う。
自らが他に利することができたと実感できた時、充実感が生まれる。
人生は、充実が大切だ。」

大体、こんな意味のお話をしていただいた。

以下は、私の解釈である。

要は、幸福ばかりを追い求める生き方というのは、どうしても利己的になる。
「幸せの青い鳥」ではないが、幸福は目の前の有難さに気付くことだけでも達成されうる。
つまり、今この恵まれた環境にいる以上、何もしなくても、幸福にはなれる。
それを他にしてもらうことで、気付きやすくなるだけの話である。

一方で、充実は違う。
どんなに物質的に恵まれていても、心の底は充実しない。
以前に「究極グルメの王様」の話を紹介したが、あれである。
空腹感、つまり欠乏感がない以上、心の底からうまいと感ずることはない。

自らに課題を課す。
それを達成した時に、充実感がある。
そして、それが他に利することである時、心の底から満たされる。

この話の後で、野口先生に
「では、教師という職業は、最高の仕事ですね。」
と尋ねると
「その通りだ。」とのこと。
野口先生が生涯の師と仰ぐ平田先生というお医者様が、次のようなことを話されたという。

「俺はお前がうらやましい。
お前の仕事は最高だ。
俺の仕事は、下がっているところを普通まで戻すこと。
だけどお前の仕事は、元気な子どもたちを、更に上に伸ばすことだ。」

ちなみに、この話が
「子どもが廊下を走るのは元気な証拠。
俺のところの患者は、みんな走りたくても走れない。
子どもが誰も走らない学校があったら、それは異常だ。」
という例の話につながるのである。

心が元気になるお話をいただいたので、読者の皆様にシェアさせていただいた。

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