2013年5月3日金曜日

大切なのは「話す」か「聞く」か

コミュニケーション能力の育成は、ここ数年の重点課題として挙げられている。
学習指導要領上でも重要であると明記されている。
国語科の中では「A話すこと・聞くこと」が「A」とあるように、トップにきている。

では、この「話す」「聞く」は、どちらがより大切なのか。

表記を見ると、「話す」が前に来ている。
つまり、やはり「話す」方を重視しているようである。
(例えば企業が合併する時、二つのどちらの名前が前に来るかは、重要な要素である。)

世間一般、教室一般はどうなのか。
「発表ができない」「表現力を育てよう」と、やはり「話す」重視である。
「日本人は自己主張が足りない」というアジアや欧米諸国の批判からも明かである。
確かに、外交の場面では、自己主張が命である。
弱腰では困る。

しかし、こと教室においては、その理論がそのまま当てはまるのか。

ここ数週間、色々な教育実践家の先生の講義を受けた。
共通する主張は「聞く力が優先」である。

ある先生は「口が二つで耳一つ」は「化け物教育」であると揶揄されていた。
ある先生は「学級作りで最初に指導すべきは、話の聴き方」と主張されていた。
講演会だろうが食事会だろうが、話す人より聞く人の方が数多く必要である。

「聴」という字は「耳」「目」「心」が合わさった字である。
相手に全ての関心を向けている状態である。
即ち、相手に対して「受容」の姿勢がとれている状態である。

昨今の様々な問題は、この「聴く」「受容」ができないことから起きているように思う。
素直に聴く相手に、それ以上の過剰な指導が入る余地はない。
大人も同様である。

聴く力をどうつけるか、これから考えていく。

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