恐怖アピールは即効性があるが、根本的な解決になりにくい。
やる(やらない)理由が消極的(マイナス)であり、「やる気」の逆に位置するからである。
以前紹介した北海道の中学校教師の堀裕嗣先生は、この辺りを次のように表現していた。
「厳しく言ってやらせるよりも、プライドを根付かせていく。
プライドが子どもを高める。」
つまり、やる(やらない)理由を積極的(プラス)に位置付ける。
プライドがあるから、やる(やらない)という状態にする。
これは、あらゆる行動に関係する。
例として「掃除をやる」という状態を考える。
「掃除をしない」という状態は脱して、「やる」という前提で考える。
なぜ掃除をやるのか。
A:先生が見ている時だけやる、という状態
これは「先生に怒られない(誉められる)」ことが動機付けになっている。
やる理由が「先生」である。
つまり、その先生がいない状態になれば、やらない。
きれいか汚いかということは、どうでもいい状態である。
そこにプライドは無い。
B:誰が見ていようがいまいが、掃除はやる、という状態
これは「きれいにすると気持ちがいい」「掃除は当然やるもの」ということが動機になっている。
歯磨きの習慣みたいなもので、きれいにしないと自分自身の気持ちが悪い状態である。
プライドというレベルではないが、マイナスの状態は避けたいという状態である。
C:きれいになっても、更にできることを自分で探してやるという状態
これは「人の役に立ちたい」という思いが動機付けになっている。
奉仕の精神であり、もはや誉められたり認められたりすることもどちらでもいい状態。
掃除の時間でなくてもきれいにしようとする状態である。
それをしている自分が好きで、プライドが持てている状態である。
AからC、どれも動機付けがポイントである。
どのように動機付けしていくのか、長くなるので次号で考えていく。
2013年12月21日土曜日
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