2012年8月8日水曜日

デジタル化の功罪

先日、社会科の「デジタル教科書」なるものを見た。
教師がプロジェクター等で提示して使うものである。
教科書と全く同じ構成で、クリックすると、写真が拡大されたり問題が提示されたりする。
非常にわかりやすい。
多分、社会科が苦手な教師でも、これを使えば一定水準の授業ができるような気がする。
値段が数万円するらしいので、すぐに全校配置は難しそうだが、将来的には広がりそうである。
(ちなみに、現在全学校に配られている外国語活動用「Hi Friends!」のCDロムもこれと同様である。)
日本中の全ての教室にコンピューターとプロジェクター(または電子黒板)が配置される日が来るだろう。

ところで、ここに関して、以前野口芳宏氏より興味深いことを教えていただいた。
数十年前、まだビデオテープが普及し始めた頃。
歴史の授業に使えるビデオが登場した。
それまで、動く画像で教えるなんてことはあり得なかったので、これはすごいと驚嘆した。
今までの教科書を使った授業では太刀打ちできないだろうと。
そこで、ビデオをじゃんじゃん使って授業を進めていった。
しかし、意外なことに、テストをすると、散々な結果。
子どもの中に残っていないのである。
以来、ビデオ教材の使い方を考え直したという。

デジタル化が進むことは大いに結構である。
むしろ、どんどん進めて欲しいと個人的に思う。
(ちなみに私は先日、学校長にそんなことをお願いしたばかりである。)
一方で、そこにばかり頼って、基本的な教え方のレベルが落ちるのは問題である。
誰がクリックしても同じ反応が出るコンピューターだけに、その使い方が問われる。

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